• 2026年10月27日
  • 2026年10月26日

便潜血陽性は再検査が必要?もう一度便検査を受けるだけではいけない理由

かなもり内科婦人科クリニック / 医療コラム

かなもり内科婦人科クリニックの便潜血陽性と再検査を解説する記事のアイキャッチ画像。金森瑛院長の写真と検査結果のイラスト

健康診断や大腸がん検診の結果に「便潜血陽性」「要精密検査」と書かれていて、驚いたことはありませんか。「もう一度便を採って、陰性だったら大丈夫?」「痔があるから、そのせいでは?」と考える方もいるでしょう。

結論からいうと、便潜血検査で一度でも陽性になった場合、便検査をやり直すだけでは十分ではありません。 大腸の中を詳しく確認する精密検査が必要です。一般的には大腸カメラ(大腸内視鏡検査)が行われます。

陽性だからといって、必ず大腸がんがあるわけではありません。だからこそ、過度に恐れるのではなく、結果の意味を理解して適切な検査につなげることが大切です。この記事では、再検査と精密検査の違い、2日法で1回だけ陽性だった場合の考え方、受診までの流れをわかりやすく解説します。

便潜血検査で陽性なら、必要なのは「便検査のやり直し」ではなく精密検査

便潜血検査は、便に目では見えないほど少量の血液が混じっていないかを調べる検診です。大腸がん検診では一般に2日分の便を調べる「2日法」が用いられます。陽性は、便に血液が含まれている可能性が示された状態であり、その時点で病気の種類や出血した場所が確定するわけではありません。

国立がん研究センターは、2日法のうち1日分でも陽性であれば精密検査を受ける必要があり、便潜血検査をもう一度受けても精密検査の代わりにならないと説明しています。

健診での便潜血の結果 受診の考え方
2日分のうち1日だけ陽性 精密検査が必要
2日とも陽性 精密検査が必要
2日とも陰性 通常は定期的な検診を継続。ただし血便・腹痛・便通の変化などがあれば受診

「要再検査」という表現を使う健診結果票もありますが、便潜血陽性に対して重要なのは、便を採り直すことではなく、出血の原因を調べることです。

便潜血検査をやり直す場合と大腸カメラで精密検査を受ける場合の違いを比較した図
図解① 便検査のやり直しと精密検査の違い

なぜ、便潜血検査をもう一度受けるだけではいけないの?

大腸の病変は、毎日出血しているとは限らないため

大腸ポリープや大腸がんなどの病変があっても、常に出血するとは限りません。ある日に採った便では血液が検出され、別の日には検出されないことがあります。

そのため、陽性のあとに便検査をやり直して陰性になっても、最初の陽性がなかったことにはなりません。 「今回は陰性だったから大丈夫」と精密検査を取りやめるのは避けましょう。

便潜血検査では、出血している場所や原因がわからないため

便潜血検査が調べているのは、便中の血液の有無です。痔からの出血なのか、大腸ポリープによるものなのか、大腸の炎症やがんが関係するのかは、結果だけでは区別できません。

大腸カメラでは大腸の粘膜を直接観察でき、必要に応じて組織の採取やポリープの切除を検討できます。便潜血検査と大腸カメラは、役割が異なる検査なのです。

2回のうち1回だけ陽性でも、大腸カメラを受けるべき?

はい。大腸がん検診の便潜血2日法では、1日だけ陽性でも「要精密検査」となります。

例えば、1日目が陰性で2日目だけ陽性だった場合でも、病変からの出血が日によって変わっていた可能性があります。反対に、2日とも陽性だからといって、それだけで大腸がんと診断されるわけでもありません。

陽性の日数だけで病気の有無や重さを決めることはできないため、医療機関で原因を確かめることが大切です。

便潜血検査2日法で1日目が陰性、2日目が陽性の場合でも精密検査が必要であることを説明する図
図解② 便潜血2日法で1回だけ陽性の場合

「症状がない」「痔がある」場合も精密検査は必要?

症状がない場合

早期の病気では自覚症状がないこともあります。痛みや便通異常がなくても、陽性なら精密検査の対象です。

痔がある場合

痔による出血と大腸の病変は、便潜血検査だけでは区別できません。原因を決めつけないことが大切です。

痛みや血便がなくても、受診が必要です

早期の大腸がんや大腸ポリープは、自覚症状がほとんどないことがあります。便がいつもどおりで、お腹も痛くないからといって、精密検査を省略できるわけではありません。

痔があるから陽性になったとは限りません

痔によって便に血液が混じることはあります。ただし、痔がある人に大腸ポリープや大腸がんがないとは限りません。「痔のせいだろう」と自分で原因を決めつけず、医師に相談してください。

最近、大腸カメラで異常なしと言われた場合は?

直近の大腸カメラで異常がなく、その後に便潜血が陽性となった場合は、検査を再度受けるかどうかの判断が個別に必要になります。前回の検査時期や内容、現在の症状などを踏まえ、前回検査を担当した医師に相談しましょう。

便潜血陽性から大腸カメラまでの流れ

検査が必要と言われても、何から始めればよいのかわからない方もいるでしょう。一般的には、次のように進みます。

1.健診結果を持って消化器内科を受診する

便潜血陽性と記載された結果票を持参し、精密検査について相談します。いつ検査を受けたか、血便・便秘・下痢・腹痛などの症状があるか、過去に大腸カメラを受けたかなどを伝えるとスムーズです。

2.服用薬や体調を確認し、検査日を決める

医師が既往歴や服薬状況を確認し、大腸カメラの必要性や準備方法を説明します。血液を固まりにくくする薬などを服用している方は、自己判断で中止せず、必ず事前に申告してください。

3.食事・下剤などの前処置を行う

大腸カメラでは、腸の中を観察しやすくするため、検査前に食事の調整や下剤の服用が必要です。具体的な方法は医療機関からの説明に従ってください。

4.大腸カメラで観察し、結果の説明を受ける

肛門から内視鏡を挿入して大腸を観察します。ポリープや炎症などが見つかった場合には、状態に応じて組織検査や治療を検討します。検査には出血・穿孔などの偶発症がまれに起こる可能性もあるため、事前の説明を確認しましょう。

便潜血陽性後、検査結果の確認、医師への相談、前処置、大腸カメラ検査までの4ステップを示す図
図解③ 健診結果を受け取ってから大腸カメラまでの流れ

さいたま市で便潜血陽性の精密検査をご検討の方へ

かなもり内科婦人科クリニックでは、健診で便潜血陽性を指摘された方の大腸カメラ検査について相談を受け付けています。

当院の大腸カメラには、次のような特徴があります。

  • 日本消化器内視鏡学会専門医による検査:院長を中心に内視鏡検査を行っています。
  • 鎮静剤の使用に対応:希望や体調、医師の判断に応じて、検査中の不安や負担の軽減を図ります。
  • 炭酸ガス送気を採用:検査後のお腹の張りを軽減するための工夫をしています。
  • 大腸ポリープの日帰り切除に対応:病変の大きさや服用薬などによっては、当日の切除ができない場合もあります。
  • 土曜日も検査対応:平日は受診しにくい方もご相談いただけます。

当院は、埼玉スタジアム線「浦和美園駅」から徒歩1分です。鎮静剤を使用した当日は、車・バイク・自転車をご自身で運転できません。 事前に移動手段もご確認ください。

便潜血陽性・精密検査についてよくある質問

翌日に便検査をやり直して陰性でした。大腸カメラは不要ですか?

いいえ。大腸の病変からの出血は毎日続くとは限らないため、やり直しで陰性になっても、先に出た陽性を否定できません。精密検査について医療機関に相談しましょう。

2日法のうち1回だけ陽性でした。それでも受診すべきですか?

はい。1回だけの陽性でも精密検査の対象です。もう1回が陰性だったことを理由に放置しないでください。

陽性だと大腸がんの可能性が高いのでしょうか?

便潜血陽性は、がんの確定診断ではありません。痔、大腸ポリープ、炎症など、がん以外の理由で出血している場合もあります。ただし結果だけでは原因がわからないため、精密検査が必要です。

どのくらい急いで検査を受ければよいですか?

特定の日数で一律に判断するのではなく、結果を受け取ったら先延ばしにせず、できるだけ早めに医療機関へ相談してください。大量の血便、強い腹痛、ふらつき・失神などがある場合には、健診の精密検査予約を待たず、速やかに救急受診を検討してください。

大腸カメラにはどのくらい費用がかかりますか?

当院の公式案内では、保険診療で3割負担の場合、観察のみで約6,000円、組織採取を行った場合は約9,000〜15,000円、ポリープ切除を行った場合は約20,000〜34,000円が目安です。実際の費用は診察や検査内容などで変わるため、詳しくは受診時にご確認ください。

まとめ|便潜血陽性を「次の健診まで様子見」にしないために

便潜血陽性を放置しないために

便潜血検査は、大腸の異変に気づくきっかけになる検診です。ただし、陽性の理由は便検査を繰り返すだけではわかりません。 2日法で1回だけ陽性だった方も、症状がない方も、痔がある方も、まずは精密検査について相談することが大切です。

さいたま市緑区・浦和美園周辺で大腸カメラをご検討の方は、かなもり内科婦人科クリニックへご相談ください。

かなもり内科婦人科クリニック金森瑛院長の写真を使用した監修医師紹介画像
監修医師プロフィール

金森 瑛(かなもり あきら)

かなもり内科婦人科クリニック 院長

略歴

  • 2012年獨協医科大学医学部医学科卒業/獨協医科大学病院 臨床研修医
  • 2014年獨協医科大学 内科学(消化器)講座
  • 2016年足利赤十字病院 内科
  • 2019年足利赤十字病院 内科 副部長
  • 2022年独立行政法人国立病院機構宇都宮病院 消化器病センター医長、内科系診療部長
  • 2024年獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 講師
  • 2025年獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 非常勤講師/獨協医科大学埼玉医療センター 消化器内科 非常勤講師

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本肝臓学会

資格

  • 医学博士
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本消化器病学会 専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医
  • 日本肝臓学会 肝臓専門医
  • 日本医師会認定産業医

略歴・所属学会・資格:公式の医師紹介、大腸カメラ診療案内を参照。

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