• 2026年7月19日
  • 2026年7月17日

食後の腹痛と下痢を繰り返す原因は?虚血性腸炎など見逃せない病気と受診の目安

食後の腹痛と下痢を繰り返す原因は何か?

食後の腹痛・下痢を繰り返す原因は、単なる「食あたり」だけではありません。虚血性腸炎・過敏性腸症候群(IBS)・感染性腸炎・大腸がん・炎症性腸疾患など、放置すると重症化しうる疾患が隠れていることがあります。

本記事では、食後の腹痛・下痢を繰り返す主な原因疾患の特徴、見分け方、受診の目安を、消化器内科専門医の立場からわかりやすく解説します。

浦和美園の消化器内科 かなもり内科婦人科クリニック

食後の腹痛や下痢を繰り返す方へ

繰り返す腹痛や下痢の背景には、さまざまな原因が考えられます。気になる症状が続くときは、早めの相談が一般的にすすめられます。まずはご相談ください。

虚血性腸炎とはどのような病気か?

虚血性腸炎(虚血性大腸炎)とは、大腸に血液を送る血管の血流が一時的に低下し、大腸の粘膜に炎症・ただれ・潰瘍が生じる病気です。突然の強い腹痛・下痢・血便が3大症状とされています。

虚血性大腸炎は主に60歳以上の方に多く、小型血管の動脈硬化が主な原因と考えられています。ただし近年は、便秘・脱水・ストレスが重なることで若年〜中年世代にも増加傾向にあります。

虚血性腸炎の典型的な症状は?

虚血性腸炎の症状は次の3つが典型的です。

  • 突然の強い腹痛(左下腹部〜側腹部が多い)
  • 下痢(水様〜軟便)
  • 血便(鮮血が混じった便、便器が赤くなるほどの出血も)

冷や汗・吐き気・気分不良を伴うこともあります。「便秘になりがちな高齢の女性」が典型例とされますが、若い方にも増えている病気です。

痛みが一時的に和らいでも、翌日まで左下腹部の鈍痛や違和感が残る場合は、虚血性腸炎の可能性を念頭に置いて早めに受診することが大切です。

虚血性腸炎が起こりやすい背景・リスク因子は?

虚血性腸炎は、血管側の要因大腸側の要因が重なって発症することが多いとされています。

  • 血管側の要因:高血圧・糖尿病・脂質異常症・動脈硬化・心疾患・不整脈・脱水・血圧低下
  • 大腸側の要因:慢性的な便秘・強くいきむ習慣・腸管内圧の上昇・浣腸や下剤の使用

便秘によって腸管内圧が上昇すると、大腸壁への血流が低下しやすくなります。特に高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を持つ方は、動脈硬化が進みやすく発症リスクが高まります。

食後の腹痛・下痢で考えられる他の病気は何か?

食後に腹痛や下痢が繰り返し起こる場合、虚血性腸炎以外にも複数の疾患が考えられます。症状だけで自己判断するのは危険であり、専門医による診察と検査が必要です。

過敏性腸症候群(IBS)との違いは?

過敏性腸症候群(IBS)は、腸に器質的な異常がないにもかかわらず、腹痛・下痢・便秘などが慢性的に繰り返す機能性消化管疾患です。食後に腹痛や強い便意が出やすいのが特徴で、ストレスや食事内容が症状を悪化させます。

虚血性腸炎との主な違いは次のとおりです。

  • IBS:慢性的・繰り返す・血便は通常ない・若年〜中年に多い
  • 虚血性腸炎:突然発症・血便を伴うことが多い・高齢者に多い(若年にも)

IBSで血便・体重減少・発熱がある場合は、別の疾患が隠れている可能性があるため、大腸カメラによる精密検査が必要です。

感染性腸炎(食中毒・ウイルス性胃腸炎)との違いは?

感染性腸炎は、細菌やウイルスが原因で起こる急性の腸炎で、発熱・吐き気・嘔吐・水様性下痢が主な症状です。食事内容(生もの・加熱不十分な食品など)や周囲の流行との関連が手がかりになります。

高熱・脱水・血便・強い腹痛が続く場合は早めの受診が必要です。感染性腸炎と虚血性腸炎は症状が似ているため、血液検査・腹部エコー・大腸カメラを組み合わせて鑑別します。

大腸がん・大腸ポリープとの関連は?

大腸がんは、血便・便通異常(便秘と下痢の繰り返し)・腹痛・体重減少などが続く場合に疑われます。初期は無症状のことも多く、便潜血検査陽性をきっかけに発見されるケースも少なくありません。

大腸ポリープも放置すると大腸がんに進行するリスクがあります。家族に大腸がんの方がいる場合や、40歳以上で便通異常が続く場合は、大腸カメラによる精密検査を積極的に検討してください。

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)との違いは?

潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患は、血便・粘液便・下痢が慢性的に繰り返すのが特徴です。若年〜中年に多く、症状が数週間以上続く場合は炎症性腸疾患の可能性を考える必要があります。

大腸カメラと組織検査(生検)によって虚血性腸炎や感染性腸炎と鑑別します。

症状の背景を、検査で確認できます

当院では問診や腹部超音波検査、必要に応じて大腸カメラなどで、症状の背景を確認します。気になる症状が続く方は、お気軽にご相談ください。

虚血性腸炎の診断にはどのような検査が必要か?

虚血性腸炎の診断は、問診・血液検査・腹部CT・腹部エコー・大腸カメラを組み合わせて行います。症状だけでは他の疾患と区別が難しいため、専門医による総合的な判断が重要です。

  • 問診:発症の状況(突然か・食後か)、腹痛の部位、下痢・血便の有無、既往歴(高血圧・糖尿病・便秘など)を確認
  • 血液検査:白血球増加・CRP上昇など炎症の程度、貧血の有無を確認
  • 腹部CT・腹部エコー:大腸壁の浮腫・肥厚、炎症の範囲を確認。CTでは脾彎曲部から下行結腸・S状結腸にかけての壁肥厚像が典型的
  • 大腸カメラ(大腸内視鏡検査):粘膜の発赤・浮腫・びらん・縦走潰瘍を直接観察。虚血粘膜と正常粘膜の境界が比較的明瞭なのが特徴

なお、炎症の活動期や腸管壊死が疑われる場合は、大腸カメラによる穿孔リスクがあるため、検査のタイミングは慎重に判断します。

虚血性腸炎の治療法と経過はどうなるか?

虚血性腸炎のほとんどは、絶食・安静・点滴(輸液)による保存的治療で1〜2週間以内に改善します。MSDマニュアル家庭版によると、ほぼすべての患者が1〜2週間で回復するとされています。

  • 保存的治療:絶食・安静・輸液(脱水予防)・必要に応じて抗生剤投与
  • 食事再開:症状が落ち着いたら少量のお粥から開始し、徐々に通常食へ
  • 手術:腸管壊死・腸閉塞(狭窄型)など重症例では外科手術が必要になることがある(ただし稀)

虚血性腸炎は4人に1人程度の割合で再発しやすいことが特徴です。退院後は便秘・生活習慣病のコントロールが再発予防に重要です。

食後の腹痛・下痢はいつ受診すべきか?受診の目安は?

以下の症状がある場合は、速やかに消化器内科を受診してください。自己判断で様子を見ることは、重症化・見逃しのリスクを高めます。

  • 血便・黒色便が出た(または便に血が混じる)
  • 冷や汗を伴うほどの強い腹痛が突然起こった
  • 腹痛・下痢が翌日以降も続く・繰り返す
  • 発熱・嘔吐を伴う
  • 急激な体重減少がある
  • 便潜血検査で陽性と指摘された
  • 家族に大腸がん・胃がんの方がいる
  • 健康診断で精密検査を勧められた

「痛みが少し楽になったから大丈夫」と判断するのは危険です。虚血性腸炎は一時的に症状が和らいでも、炎症が続いていることがあります。特に左下腹部の鈍痛・違和感が残る場合は早めの受診をお勧めします。

かなもり内科婦人科クリニックでの腹痛・下痢の診察について

当院(かなもり内科婦人科クリニック)は、埼玉県さいたま市緑区美園・浦和美園駅徒歩1分に位置する内科・消化器内科・婦人科クリニックです。日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医が在籍し、大学病院・基幹病院での消化器診療経験を持つ院長(金森瑛)が診療にあたります。

食後の腹痛・下痢・血便・便通異常などの消化器症状に対して、問診・血液検査・便検査・腹部超音波検査・胃カメラ・大腸カメラを組み合わせた総合的な診断を行います。

  • 鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラに対応(初めての方・不安な方も安心)
  • 大腸ポリープ発見時の日帰り切除に対応
  • 検査後に横になったまま休めるリカバリースペース(リカバリールーム)を完備
  • 土曜日も終日診療・内視鏡検査が可能
  • 院内バリアフリー対応

さいたま市緑区・岩槻区・見沼区・浦和区・南区・川口市・越谷市・草加市・春日部市など広範囲の方がご来院いただけます。腹痛・下痢・血便などの症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

腹痛・下痢・血便・便通異常でお悩みの方は、かなもり内科婦人科クリニック(浦和美園駅徒歩1分)へご相談ください。消化器内科専門医が丁寧に診察し、必要な検査を組み合わせて原因を特定します。鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査・大腸ポリープ日帰り切除にも対応しています。

よくある質問

食後に毎回腹痛と下痢が起こるのはなぜですか?

食後の腹痛・下痢が毎回繰り返す場合、過敏性腸症候群(IBS)・虚血性腸炎・感染性腸炎・炎症性腸疾患などが原因として考えられます。慢性的に繰り返す場合は消化器内科への受診をお勧めします。

虚血性腸炎は若い人にも起こりますか?

虚血性腸炎は主に60歳以上に多い疾患ですが、便秘・脱水・ストレス・生活習慣の乱れが重なることで若年〜中年世代にも起こります。年齢に関わらず突然の強い腹痛・血便があれば受診してください。

血便が出たらすぐに受診すべきですか?

血便・黒色便が出た場合は速やかに受診してください。虚血性腸炎・大腸がん・潰瘍性大腸炎・大腸憩室出血など、放置すると重症化する疾患が原因の可能性があります。

食後の腹痛と下痢に血便がない場合は安心ですか?

血便がなくても、腹痛・下痢が繰り返す・長期間続く場合は安心できません。過敏性腸症候群・大腸がん・炎症性腸疾患などは血便を伴わないこともあります。症状が続く場合は受診を検討してください。

虚血性腸炎の治療期間はどのくらいですか?

多くの場合、絶食・安静・点滴による保存的治療で1〜2週間以内に改善します。ただし狭窄型や重症例では治療が長引くことがあります。再発率が約25%と高いため、退院後の生活習慣改善も重要です。

大腸カメラ検査は痛いですか?

鎮静剤を使用することで、ほとんど痛みを感じずに検査を受けることができます。当院では苦痛の少ない内視鏡検査に対応しており、初めての方や不安な方もお気軽にご相談ください。

便潜血検査が陽性でした。どうすればよいですか?

便潜血陽性の場合は、大腸カメラによる精密検査が推奨されます。大腸ポリープ・大腸がんが原因の可能性があるため、自己判断せず消化器内科を受診してください。

食後の腹痛が左下腹部に集中しています。虚血性腸炎ですか?

左下腹部の痛みは虚血性腸炎の好発部位(下行結腸・S状結腸)と一致しますが、大腸憩室炎・過敏性腸症候群・大腸がんなども同部位に痛みが出ることがあります。自己判断せず、専門医による診察と検査で鑑別することが重要です。

虚血性腸炎の再発を防ぐにはどうすればよいですか?

便秘の解消・水分補給・生活習慣病のコントロールが再発予防の基本です。食物繊維を多く含む食事・適度な運動・ストレス管理を心がけてください。高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療も重要です。

腹痛・下痢で受診する際、何科に行けばよいですか?

消化器内科(または内科)への受診をお勧めします。血便・強い腹痛・発熱を伴う場合は緊急性が高いため、速やかに受診してください。当院(かなもり内科婦人科クリニック)でも消化器症状全般に対応しています。

結論

食後の腹痛と下痢を繰り返す場合、虚血性腸炎・過敏性腸症候群・感染性腸炎・大腸がんなど複数の疾患が原因となりえます。血便・冷や汗・翌日まで続く腹痛・急激な体重減少・便潜血陽性がある場合は早急に消化器内科を受診してください。症状が軽くなっても自己判断で様子を見ることは危険です。大腸カメラによる精密検査で原因を特定し、適切な治療につなげることが重要です。

かなもり内科婦人科クリニック(浦和美園)

繰り返す腹痛や下痢のご相談を承っています。腹部超音波や大腸カメラなど、症状に合わせた検査で背景を確認します。浦和美園駅より徒歩1分です。

〒336-0967 埼玉県さいたま市緑区美園4丁目10-1 シモンイースト美園/休診日:水曜・日曜・祝日

著者情報

 かなもり内科婦人科クリニック 院長  金森 瑛

略歴

2012年

獨協医科大学医学部医学科卒業

獨協医科大学病院 臨床研修医

2014年

獨協医科大学 内科学(消化器)講座

2016年

足利赤十字病院 内科

2019年

足利赤十字病院 内科 副部長

2022年

独立行政法人国立病院機構宇都宮病院 消化器病センター医長、内科系診療部長

2024年

獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 講師

資格

  • 医学博士
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本肝臓学会肝臓専門医
  • 日本医師会認定産業医

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本肝臓学会
かなもり内科婦人科クリニック 048-878-1830 ホームページ