- 2026年5月23日
- 2026年5月22日
内視鏡検査でわかる病気一覧|胃がん・大腸がん以外の疾患も徹底解説

「胃カメラや大腸カメラって、がんを調べるだけじゃないの?」
そう思っている方は、意外と多いです。
実は内視鏡検査は、がん以外にも非常に多くの病気を発見できる、消化器診療における最も重要な検査のひとつです。胃潰瘍、逆流性食道炎、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎など…早期に発見・治療できれば、生活の質を大きく守ることができます。
この記事では、消化器内視鏡専門医として長年にわたり大学病院・基幹病院で内視鏡診療に携わってきた立場から、内視鏡検査でわかる病気を網羅的に解説します。「自分の症状は内視鏡で調べた方がいいの?」と迷っている方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
内視鏡検査が必要か迷っている方へ
埼玉県さいたま市で胃痛や腹部症状について相談したい方は、かなもり内科婦人科クリニックへご相談ください。
症状や体調に合わせて、必要な検査について丁寧にご案内しています。
WEB予約はこちら内視鏡検査とは何か…基本をおさえておきましょう
内視鏡検査とは、細長い管状の医療機器を体内に挿入し、消化管の内部をリアルタイムで観察する検査です。
先端の小型カメラが撮影した映像をモニターに映し出すことで、医師が粘膜の状態を直接確認できます。さらに、内視鏡の先端部から処置具を出し入れして、組織採取(生検)やポリープ切除などの処置も行えます。これが内視鏡検査の大きな強みです。
大きく分けると2種類あります。
- 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)…食道・胃・十二指腸を観察
- 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)…大腸全体(直腸〜盲腸)を観察
それぞれで発見できる疾患が異なります。以下で詳しく解説していきます。

胃カメラ(上部消化管内視鏡)でわかる病気一覧
胃カメラは、口または鼻からスコープを挿入し、食道・胃・十二指腸を観察します。
「胃が痛い」「胸やけがする」「食欲がない」…そんな症状がある方に特に重要な検査です。
食道で発見できる疾患
食道は意外と見落とされがちな部位です。しかし、内視鏡を挿入する経路上にあるため、胃カメラの際に必ず観察します。
- 食道がん…早期発見が非常に重要。初期は自覚症状がほとんどなく、内視鏡でしか発見できないケースが多いです。
- 逆流性食道炎…胃酸が食道に逆流し、粘膜に炎症を起こす病気です。胸やけ・げっぷ・喉の違和感などが典型的な症状です。
- 食道ポリープ…食道粘膜の一部が隆起したもの。多くは良性ですが、定期的な観察が必要です。
- 食道静脈瘤…肝硬変などに伴い、食道の静脈が瘤状に拡張した状態です。破裂すると大量出血のリスクがあります。
逆流性食道炎は、近年の食生活の変化や肥満の増加に伴い、患者数が増えている疾患です。「胸やけが続く」という方は、ぜひ一度内視鏡での確認をお勧めします。
胃で発見できる疾患
胃カメラの主役とも言えるパートです。
- 胃がん…日本人のがん死亡原因の上位に位置する疾患です。ピロリ菌感染との関連が深く、50歳代から罹患率が増加します。早期発見で内視鏡治療が可能なケースも多くあります。
- 胃潰瘍…胃の粘膜が深くえぐれた状態。みぞおちの痛み、食後の不快感などが現れます。ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が主な原因です。
- 胃炎(急性・慢性)…胃粘膜の炎症。ピロリ菌感染による慢性胃炎は、胃がんのリスクを高めるため注意が必要です。
- 胃ポリープ…胃粘膜の一部が隆起したもの。多くは良性ですが、種類によっては経過観察や切除が必要です。
- ピロリ菌感染…内視鏡検査時に胃粘膜の状態を確認し、感染の有無を推定できます。生検による検査も可能です。
胃がんは、自覚症状がないうちに進行することが少なくありません。
「症状がないから大丈夫」は、消化器科医として最も心配な言葉のひとつです。
定期的な内視鏡検査による早期発見が、命を守る最善策です。
十二指腸で発見できる疾患
十二指腸は胃の出口に続く部位です。胃カメラでここまで観察できます。
- 十二指腸潰瘍…空腹時の痛みが特徴的。ピロリ菌感染との関連が強い疾患です。
- 十二指腸がん…比較的まれですが、内視鏡で発見できます。
- 十二指腸ポリープ…隆起性病変。多くは良性ですが、組織採取で確認します。

大腸カメラ(下部消化管内視鏡)でわかる病気一覧
大腸カメラは、肛門からスコープを挿入し、直腸から盲腸まで大腸全体を観察します。
「便潜血検査で陽性だった」「血便が出た」「お腹の調子が悪い」…こうした方に特に重要な検査です。
大腸がん
大腸がんは、日本人のがん罹患数において男女ともに上位を占める重要な疾患です。
初期の自覚症状がほとんどないため、自分では気づきにくいのが特徴です。便に微量の血が混じることもありますが、痔のある方は見過ごしてしまいがちです。
症状が進行すると、血便・下血・下痢と便秘の繰り返し・便が細い・腹痛・体重減少などが現れます。一般的に50歳を超えると大腸がんのリスクが上がるとされており、男性は女性の約2倍のリスクがあります。
早期発見することで、早期大腸がんの99%はその場で診断から治療まで安全に行うことが可能です。大腸がんは、早期発見が治療成績を大きく左右する疾患です。
大腸ポリープ
大腸ポリープは、粘膜の一部が盛り上がって突起状になったものです。
良性のものがほとんどですが、腺腫と呼ばれるタイプはがん化することがあります。大腸には知覚神経がないため、自覚症状がないことがほとんどです。そのため、内視鏡検査による発見が非常に重要です。
5mm以上の腺腫・がんが疑われるもの・出血がみられるものなどは、内視鏡的切除の対象となります。当院では、検査中に発見されたポリープをその場で日帰り切除できるケースもあり、大腸がん予防につながる早期治療を重視しています。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
炎症性腸疾患は、腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気です。
下痢・腹痛・血便・発熱・貧血などの症状があり、20〜30代の若年層に多くみられます。厚生労働省が難病に指定している疾患です。
内視鏡検査では、粘膜の炎症の範囲・程度・潰瘍の状態を直接観察できます。X線造影検査や病理組織検査と組み合わせて診断します。寛解と再燃を繰り返す慢性疾患であるため、定期的な内視鏡による経過観察が重要です。
過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群は、腸に器質的な異常がないにもかかわらず、腹痛・下痢・便秘などが繰り返される疾患です。内視鏡検査では器質的疾患を除外するために重要な役割を果たします。

原因不明の腹部症状が続く方へ
腹痛や下痢、血便などの症状について詳しく調べたい方は、かなもり内科婦人科クリニックへご相談ください。
症状の背景を確認しながら、必要に応じた内視鏡検査をご提案しています。
検査について相談する内視鏡検査で使われる最新の診断技術
内視鏡の精度は、近年著しく向上しています。
「昔に比べて内視鏡は格段に進化した」と実感しています。最新技術を活用することで、より小さな病変、より早期の病変を発見できるようになりました。
NBI(狭帯域光観察)
NBI(Narrow Band Imaging)とは、特定の波長の光を使って粘膜表層の毛細血管やそのパターンを強調して観察する光学技術です。
通常光では見えづらかったがんなどの病変の早期発見に貢献します。食道がんや胃がんの範囲診断にも活用されており、必要以上に大きく切除することなく、適切な範囲での治療が可能になります。
AI内視鏡診断支援
近年、内視鏡画像をAIがリアルタイムで解析し、医師の診断を補助するシステムが実用化されています。
大腸の内視鏡検査中に、ポリープやがんの可能性がある病変を音とモニター表示でリアルタイムに警告し、検出位置を枠で表示します。これにより、病変の見落とし防止をサポートします。内視鏡医の技術と最新AIの組み合わせが、より精度の高い検査を実現しています。
経鼻内視鏡(細径内視鏡)
従来の胃カメラは直径約9〜10mmのスコープが使われてきましたが、現在は直径約5mmの細径内視鏡が登場しています。
鼻から挿入できるため、舌の根元を通らず嘔吐感が少ないのが特徴です。検査中に会話もできます。「オエッとなるのが怖い」という方にとって、大きな助けとなる技術です。
当院では経鼻内視鏡・経口内視鏡の両方に対応しており、患者さんの希望や状態に合わせた検査方法を提案しています。

こんな症状があったら内視鏡検査を検討しましょう
「どんな症状があれば受けるべき?」というご質問をよくいただきます。
以下に該当する方は、ぜひ早めに消化器内科を受診されることをお勧めします。
胃カメラが推奨される症状・状況
- 胃痛・みぞおちの痛みが続く
- 胸やけ・げっぷが頻繁にある
- 胃もたれ・食欲不振が続く
- 吐き気・嘔吐がある
- 黒色便(タール便)が出た
- ピロリ菌感染歴がある
- 健康診断で胃の異常を指摘された
- 胃がんの家族歴がある
- バリウム検査で再検査となった
大腸カメラが推奨される症状・状況
- 便潜血検査で陽性だった
- 血便・下血があった
- 腹痛・腹部不快感が続く
- 便秘と下痢を繰り返す
- 便が細くなった・残便感がある
- 大腸がんの家族歴がある
- 以前に大腸ポリープを指摘されたことがある
- 40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない
「症状がないから大丈夫」と思っていても、大腸がんや早期胃がんは無症状のまま進行することがあります。40〜50歳を過ぎたら、症状がなくても定期的な内視鏡検査を受けることが大切です。
あなたの体のサインを見逃していませんか?

内視鏡検査で発見された場合の治療について
内視鏡検査は「見るだけ」ではありません。
異常が見つかった場合、内視鏡を使った治療(内視鏡治療)が可能なケースも多くあります。早期のがんや前がん病変であれば、開腹手術を行わずに内視鏡だけで切除できる場合があります。
主な内視鏡治療の種類
- 内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)…スネアと呼ばれる輪状のワイヤでポリープを締め付け、高周波電流で切除します。
- 内視鏡的粘膜切除術(EMR)…粘膜下層に液体を注入してがんを浮き上がらせ、スネアで切除する方法です。
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)…がんの周囲の粘膜を高周波ナイフで切開し、粘膜下層から病変をはがしとる方法です。より大きな病変にも対応できます。
手術に比べて痛みが少なく、回復が早い点が内視鏡治療の大きなメリットです。体への負担を最小限に抑えながら、早期がんを根治できる可能性があります。
当院では、大腸ポリープの日帰り切除に対応しています。検査中に発見されたポリープをその場で切除できるケースもあり、患者さんの負担軽減と早期治療を両立しています。
かなもり内科婦人科クリニックの内視鏡検査について
浦和美園駅から徒歩1分。
当院では、日本消化器内視鏡学会専門医が、苦痛の少ない内視鏡検査を提供しています。大学病院・基幹病院での豊富な経験を活かし、専門性の高い検査を地域の皆さまにお届けしています。
当院の内視鏡検査の特徴
- 経鼻内視鏡・経口内視鏡の両方に対応…患者さんの希望や状態に合わせた検査方法を提案します。
- 鎮静剤を使用したウトウトした状態での検査が可能…「胃カメラが苦手」「オエッとなるのが不安」という方も安心して受けていただけます。
- 当日胃カメラに対応…急な症状がある方も、その日のうちに検査を受けていただけます。
- 大腸ポリープの日帰り切除対応…検査中に発見されたポリープをその場で切除できるケースがあります。
- リカバリー室完備…鎮静剤使用後も安心して休憩していただける環境を整えています。
- 内視鏡洗浄装置・生体情報モニター・高圧蒸気滅菌装置を導入…安全性と衛生管理に徹底的に配慮しています。
連携医療機関について
当院では、獨協医科大学埼玉医療センター・さいたま赤十字病院・さいたま市立病院との連携体制を整えています。精密検査や高度治療が必要な場合も、スムーズにご紹介できる体制です。
さいたま市緑区・浦和美園・岩槻区周辺にお住まいの方で、胃カメラや大腸カメラを検討されている方は、ぜひ当院にご相談ください。
まとめ|内視鏡検査は「早期発見」のための最強ツールです
内視鏡検査でわかる病気は、胃がん・大腸がんだけではありません。
逆流性食道炎、胃潰瘍、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎など、早期発見・早期治療が重要な疾患が数多くあります。そして、多くの病気は症状が出る前から進行しています。
「症状がないから大丈夫」ではなく、「症状がないうちに調べる」ことが、あなたの健康を守る最善策です。
内視鏡検査は怖いものではありません。鎮静剤を使えばウトウトした状態で受けられますし、経鼻内視鏡なら嘔吐感もほとんどありません。技術の進歩により、以前よりずっと楽に受けられるようになっています。
気になる症状がある方、健康診断で異常を指摘された方、40〜50歳以上で一度も内視鏡検査を受けたことがない方は、ぜひ一度ご相談ください。
かなもり内科婦人科クリニック
埼玉県さいたま市緑区美園4丁目10-1 シモンイースト美園
浦和美園駅(埼玉スタジアム線)徒歩1分・駐車場完備
診療科目:一般内科・消化器内科・胃カメラ・大腸カメラ・婦人科
内視鏡検査を検討している方へ
埼玉県さいたま市で胃カメラ・大腸カメラについて相談したい方は、かなもり内科婦人科クリニックへご相談ください。
気になる症状や健康診断での異常についても丁寧に確認しています。
WEB予約はこちら著者情報
かなもり内科婦人科クリニック 院長 金森 瑛

略歴
2012年
獨協医科大学医学部医学科卒業
獨協医科大学病院 臨床研修医
2014年
獨協医科大学 内科学(消化器)講座
2016年
足利赤十字病院 内科
2019年
足利赤十字病院 内科 副部長
2022年
独立行政法人国立病院機構宇都宮病院 消化器病センター医長、内科系診療部長
2024年
獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 講師
資格
- 医学博士
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本肝臓学会肝臓専門医
- 日本医師会認定産業医
所属学会
- 日本内科学会
- 日本消化器病学会
- 日本消化器内視鏡学会
- 日本肝臓学会