- 2026年7月19日
- 2026年7月17日
若い人でも血便は放置してはいけない?受診の目安を専門医が解説

血便とは何か?若い人にも起こりうる理由
「血便」とは、消化管のどこかで出血が起き、その血液が便に混じって排出された状態を指します。
出血の場所によって便の色や性状が異なり、肛門・直腸・大腸からの出血では鮮やかな赤色(鮮血便)、胃・十二指腸からの出血では黒くタール状の便(黒色便・タール便)になることが多いです。
「若いから大腸がんは関係ない」と思われがちですが、近年は50歳未満で発症する若年性大腸がんの増加が国際的に報告されています。もちろん、若い方の血便のすべてが重大疾患というわけではありません。
しかし、「痔だろう」と自己判断して放置することで、診断が遅れるリスクがあります。血便の原因を正確に把握するためには、専門医による診察と適切な検査が不可欠です。
浦和美園の消化器内科 かなもり内科婦人科クリニック
血便に気づいた方へ
血便は年齢を問わず、さまざまな原因で起こります。自己判断で様子を見るより、早めに相談しておくと安心です。気になる方はまずご相談ください。

血便の原因にはどんな病気が考えられるか?
血便の原因は多岐にわたります。若い方に多い原因から、見逃してはいけない重大疾患まで幅広く存在します。
若い世代に多い血便の原因
- 痔核・切れ痔(裂肛):排便時に鮮血がつく、排便時に痛みを伴うことが多い。血便の原因として最も頻度が高いとされます。
- 感染性腸炎:細菌やウイルスによる腸の炎症。下痢・腹痛・発熱を伴うことが多い。
- 過敏性腸症候群(IBS):便通異常はあっても、血便は基本的に説明しにくい。血便がある場合は別の原因を疑う必要があります。
見逃してはいけない重大疾患
- 大腸ポリープ:症状が乏しいこともありますが、出血の原因になります。放置すると大腸がんに進行するリスクがあります。
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病):血便や下痢が続く、体重減少を伴うことがある。若い世代に多く発症する疾患です。
- 大腸がん:近年は若年発症例の増加が報告されています。血便・便が細い・残便感・体重減少などが主なサインです。
- 虚血性腸炎:大腸への血流が一時的に不足することで起こる。突然の腹痛と血便が特徴です。
- 大腸憩室出血:大腸の壁にできたくぼみ(憩室)からの出血。痛みを伴わない大量出血が起きることもあります。
下部消化管出血の鑑別疾患として、憩室出血(5〜42%)、虚血性腸炎(6〜18%)、痔核・裂肛・直腸潰瘍(6〜16%)、新生物(ポリープや癌)(3〜11%)などが挙げられています。
また、50歳未満の患者では痔核が主な要因とされる一方、大腸がんや炎症性腸疾患も若年層で見られるため、自己判断は禁物です。
「痔だから大丈夫」は危険?血便を放置してはいけない理由
血便を放置してはいけない最大の理由は、外見上の症状だけでは痔と大腸がんを区別できないからです。
痔による出血も大腸がんによる出血も、どちらも「便に鮮血がつく」という形で現れることがあります。自己判断で「痔だろう」と決めつけると、大腸がんや炎症性腸疾患の発見が遅れる危険性があります。
特に以下のような状況では、痔以外の重大疾患が隠れている可能性があります。
- 血便が2週間以上続いている、または繰り返している
- 便の形が細くなった、残便感がある
- 下痢と便秘を繰り返している
- 原因不明の体重減少がある
- 貧血(ふらつき・息切れ・動悸)がある
- 家族に大腸がんや大腸ポリープの方がいる
これらの「警告サイン」がある場合は、年齢に関わらず早めに消化器内科を受診することが重要です。

若い人が血便で受診すべき目安はどのくらいか?
血便が1回だけで自然に止まり、他の症状がない場合でも、一度は消化器内科を受診して原因を確認することを推奨します。
特に次のいずれかに当てはまる場合は、早めの受診が必要です。
すぐに受診すべきサイン
- 血便が続く・繰り返す(トイレットペーパーに付く程度でも)
- 大量の出血(便器が赤くなるほど)
- 黒色便・タール便(胃や十二指腸からの出血を示唆)
- 強い腹痛・発熱を伴う血便
- ふらつき・息切れ・動悸(貧血の可能性)
- 急激な体重減少
早めに受診を検討すべきサイン
- 便通異常(下痢・便秘・便が細い)が2週間以上続く
- 残便感が続く
- 便潜血検査(健康診断)で陽性が出た
- 家族に大腸がん・大腸ポリープの方がいる
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の既往がある
日本のがん検診ガイドラインでは、大腸がん検診として便潜血検査(免疫法)の開始年齢は40歳から推奨されています。ただし、症状がある場合は40歳未満でも受診の対象となります。
「若いから」「痔だから」という自己判断で受診を先延ばしにすることが、最も避けるべき行動です。
血便の原因は、検査で確認できます
痔によるものか、腸の病気によるものかは、見た目だけでは判断が難しいことがあります。当院では大腸カメラなどで背景を確認します。ご相談ください。
血便の診断にはどんな検査が行われるか?
血便の原因を正確に調べるためには、問診・身体診察・各種検査を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。
問診・身体診察
まず、症状の経過(いつから・どのくらいの頻度・血液の色や量)、既往歴、家族歴、服用中の薬(特に抗血栓薬)、生活習慣などを詳しく確認します。肛門周囲の視診・触診も重要な診察です。
血液検査・便検査
- 血液検査:貧血の有無・炎症反応(CRP)・肝機能・腎機能などを確認します。
- 便潜血検査:肉眼では見えない微量の血液を検出します。陽性の場合は大腸カメラによる精密検査が基本です。
- 便培養検査:感染性腸炎が疑われる場合に実施します。
腹部超音波検査(エコー検査)
腹部の臓器(大腸・肝臓・胆嚢・膵臓など)の状態を非侵襲的に確認できます。放射線被曝がなく、繰り返し行える検査です。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
血便の原因を確定診断するうえで最も重要な検査が大腸カメラです。大腸の内部を直接観察し、ポリープ・炎症・腫瘍などを確認できます。
大腸ポリープが見つかった場合は、検査中にそのまま日帰り切除に対応できるクリニックもあります。鎮静剤を使用することで、苦痛を大幅に軽減した状態で検査を受けることが可能です。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
黒色便・タール便がある場合は、胃や十二指腸からの出血が疑われます。この場合は大腸カメラではなく、胃カメラによる検査が優先されます。

大腸カメラを受けるときに知っておきたいことは?
大腸カメラは「つらい検査」というイメージを持つ方も多いですが、鎮静剤を使用することで眠っているような状態で受けられるため、不安を感じている方も安心して相談できます。
検査前の準備
- 検査前日は消化の良い食事に切り替え、検査食(クリニックから指示される場合あり)を摂ります。
- 検査当日の朝から下剤(腸管洗浄液)を飲み、大腸の中をきれいにします。
- 鎮静剤を使用する場合は、検査後に車・バイク・自転車の運転ができないため、交通手段を事前に確認しておきます。
検査中・検査後
- 鎮静剤使用の場合、検査後はリカバリースペース(リカバリールーム)で横になって休みます。
- 大腸ポリープが見つかった場合、その場で切除(日帰りポリープ切除)に対応できるクリニックもあります。
- 検査結果は当日または後日、医師から詳しく説明を受けます。
こんな方も安心して相談できます
- 大腸カメラが初めての方
- 以前の検査でつらかった経験がある方
- 仕事の都合で平日に受診しにくい方(土曜日も検査対応のクリニックあり)
- バリアフリー対応の施設を希望する方
血便・便通異常で受診するならどんなクリニックを選ぶべきか?
血便や便通異常の診療では、消化器内科の専門医が在籍し、内視鏡検査まで一貫して対応できるクリニックを選ぶことが重要です。
クリニック選びのポイントを以下にまとめます。
- 日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医が在籍しているか
- 胃カメラ・大腸カメラの両方に対応しているか
- 鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査に対応しているか
- 大腸ポリープ発見時に日帰り切除に対応しているか
- 検査後のリカバリースペースが整備されているか
- 土曜日など受診しやすい日程に対応しているか
- 血液検査・便検査・腹部超音波検査など総合的な診断体制があるか
大学病院や基幹病院での消化器診療経験を持つ専門医が在籍するクリニックであれば、複雑な症例にも対応できる安心感があります。
さいたま市緑区・浦和美園エリアにお住まいの方は、浦和美園駅徒歩1分に位置する「かなもり内科婦人科クリニック」にご相談ください。日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医である院長が、血便・便通異常・便潜血陽性などの消化器症状に幅広く対応しています。
かなもり内科婦人科クリニックは、埼玉スタジアム線「浦和美園駅」徒歩1分のメディカルモール内に位置する内科・消化器内科・婦人科クリニックです。日本消化器内視鏡学会専門医による鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ、大腸ポリープ日帰り切除、検査後のリカバリールーム完備、土曜日終日診療に対応しています。血便・黒色便・便潜血陽性・腹痛・便通異常でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
若い人でも血便は受診が必要ですか?
はい、年齢に関わらず血便は一度消化器内科を受診することを推奨します。若い方でも大腸ポリープ・炎症性腸疾患・大腸がんが原因となる場合があり、「若いから大丈夫」という自己判断は危険です。
血便が1回だけでも病院に行くべきですか?
1回だけでも受診することをお勧めします。血便が1回で止まった場合でも、大腸ポリープや炎症性腸疾患が隠れている可能性があります。特に他の症状(腹痛・体重減少・貧血)を伴う場合は早めに受診してください。
血便と痔の出血はどうやって見分けますか?
外見だけでは確実に区別できません。痔による出血も大腸がんによる出血も鮮血として現れることがあります。確実な鑑別には大腸カメラによる検査が必要です。自己判断は避けてください。
黒色便(タール便)が出たらどうすればよいですか?
黒色便・タール便は胃や十二指腸からの出血を示唆するため、速やかに受診してください。大量出血の場合はふらつき・息切れを伴うこともあり、その場合は救急受診が必要です。
便潜血検査が陽性でした。どうすればよいですか?
便潜血陽性の場合は、大腸カメラによる精密検査が基本です。症状がなくても放置せず、消化器内科を受診して大腸カメラの予約を取ることをお勧めします。
大腸カメラは痛いですか?怖いのですが…
鎮静剤を使用することで、眠っているような状態で受けられます。不安が強い方や初めての方も、事前に医師に相談することで安心して検査を受けることができます。
大腸ポリープが見つかったらどうなりますか?
多くの場合、検査中にそのまま日帰り切除が可能です。切除したポリープは病理検査に提出し、がん化の有無を確認します。切除後は一定期間の食事制限と安静が必要です。
血便があるとき、食事や生活で気をつけることはありますか?
受診前は刺激の強い食事・飲酒・激しい運動を避けることをお勧めします。ただし、食事制限や自己判断での薬の服用よりも、まず専門医を受診して原因を確認することが最優先です。
家族に大腸がんの人がいます。何歳から検査を受けるべきですか?
家族歴がある場合は、一般より早めに検査を検討することをお勧めします。親やきょうだいに大腸がん・大腸ポリープがある方は、症状がなくても30〜40代から消化器内科に相談してください。
さいたま市緑区・浦和美園で大腸カメラを受けられるクリニックはありますか?
かなもり内科婦人科クリニック(浦和美園駅徒歩1分)で対応しています。日本消化器内視鏡学会専門医による鎮静剤使用の大腸カメラ・日帰りポリープ切除・土曜日検査に対応しています。
結論
若い人でも血便は「痔だろう」と放置してはいけません。血便が続く・繰り返す・体重減少・貧血・便通異常などの警告サインがある場合は、年齢に関わらず消化器内科を受診し、大腸カメラで原因を確認することが重要です。早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。まずは専門医に相談することが、最善の行動指針です。
かなもり内科婦人科クリニック(浦和美園)
血便のご相談を承っています。年齢にかかわらず、原因を確認するための検査に対応しています。気になる方はお気軽にご相談ください。浦和美園駅より徒歩1分です。
〒336-0967 埼玉県さいたま市緑区美園4丁目10-1 シモンイースト美園/休診日:水曜・日曜・祝日
著者情報
かなもり内科婦人科クリニック 院長 金森 瑛

略歴
2012年
獨協医科大学医学部医学科卒業
獨協医科大学病院 臨床研修医
2014年
獨協医科大学 内科学(消化器)講座
2016年
足利赤十字病院 内科
2019年
足利赤十字病院 内科 副部長
2022年
独立行政法人国立病院機構宇都宮病院 消化器病センター医長、内科系診療部長
2024年
獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 講師
資格
- 医学博士
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本肝臓学会肝臓専門医
- 日本医師会認定産業医
所属学会
- 日本内科学会
- 日本消化器病学会
- 日本消化器内視鏡学会
- 日本肝臓学会