- 2026年5月24日
- 2026年5月23日
腹痛と下痢が続くのはストレス?過敏性腸症候群との違いと受診目安

「また今日もお腹が痛い…」
朝、通勤前にトイレに駆け込む。会議の前になると急に腹痛が起きる。そんな経験が続いているとしたら、それは単なる「ストレスのせい」で片づけてよいものでしょうか。
腹痛と下痢が繰り返されるとき、その背景には複数の原因が考えられます。ストレスが関係していることも確かにありますが、見逃してはいけない病気が隠れているケースも少なくありません。
消化器内科専門医として多くの患者さんを診てきた立場から、腹痛と下痢が続く原因、過敏性腸症候群(IBS)との違い、そして「いつ病院を受診すべきか」の目安を丁寧に解説します。
腹痛や下痢が続いている方へ
埼玉県さいたま市で消化器症状について相談したい方は、かなもり内科婦人科クリニックへご相談ください。
ストレスとの関係も含めながら、必要な検査や治療方針をご案内しています。
WEB予約はこちら腹痛と下痢が続く…よくある原因とは
腹痛と下痢が繰り返されるとき、原因はひとつとは限りません。
消化器の不調は、生活習慣・感染・炎症・機能的な問題・心理的要因など、さまざまな要素が絡み合って起きます。まずは代表的な原因を整理しておきましょう。

ストレスや自律神経の乱れ
精神的なストレスは、腸の動きに直接影響します。
腸は「第2の脳」とも呼ばれ、脳と腸は自律神経を介して密接につながっています。緊張や不安が続くと腸の蠕動運動が乱れ、腹痛・下痢・便秘といった症状が現れやすくなります。試験前や大事な会議の前日にお腹が痛くなる、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ただし、「ストレスのせいだから大丈夫」と自己判断するのは危険です。ストレス症状に見えても、炎症性腸疾患や感染症が隠れている場合があります。
感染性腸炎(ウイルス・細菌)
急に始まった腹痛と下痢は、感染性腸炎の可能性があります。
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性、カンピロバクターやサルモネラなどの細菌性の腸炎は、発熱・嘔吐・水様性下痢を伴うことが多いです。多くは数日で回復しますが、症状が長引く場合や血便がある場合は受診が必要です。
過敏性腸症候群(IBS)
慢性的に腹痛と下痢・便秘が繰り返される場合、過敏性腸症候群(IBS)が疑われます。
IBSは器質的な異常(炎症・潰瘍・腫瘍など)がないにもかかわらず、腹痛や便通異常が続く機能性疾患です。詳しくは後述しますが、日本消化器病学会のガイドラインでも診断・治療の基準が整備されており、決して珍しい疾患ではありません。
炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)
血便・体重減少・発熱を伴う慢性的な下痢は要注意です。
クローン病や潰瘍性大腸炎は、腸に慢性的な炎症が起きる疾患で、若い世代にも発症します。放置すると重症化するリスクがあり、早期の診断と治療が重要です。大腸カメラ検査で確認できます。
大腸がん・大腸ポリープ
便通の変化が続く場合、大腸がんの可能性も考える必要があります。
特に40歳以上で、便が細くなった・血便がある・便秘と下痢を繰り返すといった症状がある場合は、大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。大腸ポリープは早期に切除することでがんへの進行を防げます。
胆石・胆のう炎・膵炎
右上腹部の痛みや、背中に響く痛みがある場合は胆のう・膵臓の異常も考えられます。
脂っこい食事の後に痛みが強くなる場合は特に注意が必要です。腹部超音波検査で評価できます。
婦人科疾患(女性の場合)
女性の腹痛は、婦人科疾患が関係していることがあります。
子宮内膜症や卵巣嚢腫は、月経周期に合わせた下腹部痛として現れることがあります。消化器の問題と思っていたら婦人科疾患だった、というケースも実際に経験しています。内科と婦人科の両面から診ることが大切です。
過敏性腸症候群(IBS)とは何か〜症状と特徴
過敏性腸症候群(IBS)は、現代人に非常に多い疾患です。
日本消化器病学会の診療ガイドラインによると、IBSの診断には「Rome IV基準」が用いられます。
Rome IV基準の概要…直近3か月間、月に4日以上の腹痛が繰り返され、以下の2つ以上を満たすもの。
- 排便と関連している
- 排便頻度の変化を伴う
- 便の形状・外観の変化を伴う
さらに、症状が6か月以上前から始まっていることが条件となります。

IBSの4つのタイプ
IBSは便の形状によって4つに分類されます。
- 下痢型(IBS-D)…軟便・水様便が主体。男性に多い傾向があります
- 便秘型(IBS-C)…硬便・兎糞状便が主体。女性に多い傾向があります
- 混合型(IBS-M)…下痢と便秘が交互に現れます
- 分類不能型(IBS-U)…上記のいずれにも分類できないもの
腹痛と下痢が繰り返される場合は、下痢型(IBS-D)が最も疑われます。
IBSの病態…なぜ起きるのか
IBSの発症には、複数のメカニズムが関与していると考えられています。
腸管の過敏性(内臓知覚過敏)、腸の運動異常、脳腸相関の乱れ、腸内細菌叢の変化、粘膜透過性の亢進、心理的要因(不安・抑うつ)などが複合的に絡み合っています。ストレスがIBSを悪化させることは確かですが、ストレスだけが原因ではありません。
感染性腸炎(急性胃腸炎)の後にIBSを発症する「感染後IBS(PI-IBS)」も知られており、腸炎をきっかけに慢性的な腹痛・下痢が続くようになるケースもあります。
過敏性腸症候群か気になる方へ
腹痛や下痢を繰り返している方は、埼玉県さいたま市のかなもり内科婦人科クリニックへご相談ください。
症状の背景を確認しながら、必要に応じて内視鏡検査も検討しています。
かなもり内科婦人科クリニックに相談するストレス性の腹痛とIBSの違い〜どう見分けるか
「ストレスで腹痛が起きているだけ」と「IBSである」は、必ずしも別物ではありません。
ただし、診断・治療の観点から整理しておくことは大切です。以下の点を確認してみてください。

一時的なストレス性腹痛の特徴
ストレスの原因が解消されると症状が落ち着く場合は、一時的なストレス反応の可能性があります。
- 特定のイベント(試験・会議・人間関係のトラブルなど)に関連して起きる
- ストレスが解消されると症状が消える
- 夜間や休日は症状が出にくい
- 体重減少・血便・発熱などの「警戒すべき症状」がない
IBSが疑われる特徴
以下に当てはまる場合は、IBSとして診断・治療が必要な可能性があります。
- 腹痛と便通異常が6か月以上続いている
- 排便後に腹痛が和らぐことが多い
- ストレスがなくても症状が出る
- 日常生活・仕事・外出に支障が出ている
- 内視鏡検査や血液検査で異常が見つからない
「検査で異常がないのに症状が続く」という状況は、患者さんにとって非常につらいものです。「気のせい」「精神的なもの」と言われて悩んでいる方も多いと思います。IBSは実際に存在する疾患であり、適切な治療で症状を改善できます。
IBSと紛らわしい疾患…見逃してはいけないサイン
以下の「警戒すべき症状(レッドフラッグ)」がある場合は、IBSではなく別の疾患が隠れている可能性があります。早めに受診してください。
- 血便・黒色便…大腸がん、炎症性腸疾患、消化管出血など
- 原因不明の体重減少…悪性腫瘍、炎症性腸疾患など
- 発熱を伴う下痢…感染性腸炎、炎症性腸疾患など
- 夜間に目が覚めるほどの腹痛・下痢…器質的疾患の可能性
- 50歳以上で初めて症状が出た…大腸がんのリスクが高まる年齢
- 背中まで響く痛み…膵炎、胆石など
病院を受診すべき目安〜こんな症状は早めに相談を
「どのくらい続いたら受診すべきか」という質問をよく受けます。
結論から言えば、2週間以上腹痛と下痢が続く場合は受診を検討してください。

すぐに受診が必要なケース
以下の症状がある場合は、できるだけ早く受診してください。
- 血便・黒色便がある
- 激しい腹痛が急に始まった
- 38℃以上の発熱を伴う
- 嘔吐が続いて水分が取れない
- 急激な体重減少がある
- 腹部に硬いしこりを感じる
数日以内に受診を検討するケース
- 下痢が3日以上続いている
- 腹痛が繰り返されている
- 食欲がなく体がだるい
- 便潜血検査で陽性だった
慢性的な症状で受診を検討するケース
- 2週間以上、腹痛や下痢が続いている
- 症状が繰り返されて日常生活に支障が出ている
- ストレスで腹痛が悪化すると感じている
- 以前に胃カメラ・大腸カメラを受けたことがない
「大したことないだろう」と思って受診を先延ばしにした結果、大腸がんが進行していた…というケースを実際に経験しています。早めの受診・検査が、安心につながります。
無症状の大腸疾患が心配な方へ
血便が一時的でも不安がある方は、埼玉県さいたま市のかなもり内科婦人科クリニックへご相談ください。
検査が必要かどうかも含めて、症状や年齢に応じて丁寧に確認しています。
かなもり内科婦人科クリニックに相談する消化器内科での診察・検査の流れ
初めて消化器内科を受診するとき、どんな検査をするのか不安に感じる方も多いと思います。
一般的な流れをご説明します。
問診・身体診察
まず、いつから・どんな症状が・どのくらいの頻度で起きているかを詳しく伺います。
食事との関係、排便との関係、ストレスとの関係、血便の有無、体重変化なども重要な情報です。腹部の触診で痛みの部位や腸の状態を確認します。
血液検査・便検査
炎症反応(CRP)・貧血・肝機能・腎機能などを血液検査で確認します。
便検査では、感染症の原因菌・寄生虫・便潜血(血液の混入)を調べます。ピロリ菌検査も必要に応じて行います。
腹部超音波検査
胆のう・膵臓・肝臓・腎臓などを超音波で評価します。
胆石・胆のう炎・膵炎・脂肪肝などの診断に有用です。痛みがなく、被ばくもない安全な検査です。
胃カメラ(上部消化管内視鏡)
みぞおちの痛み・胃もたれ・吐き気が続く場合は胃カメラが有用です。
胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎・ピロリ菌感染・胃がんを直接確認できます。鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査にも対応しており、経鼻・経口どちらにも対応しています。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡)
下腹部痛・血便・便通異常・便潜血陽性がある場合は大腸カメラが重要です。
大腸ポリープ・大腸炎・炎症性腸疾患・大腸がんを直接観察できます。ポリープが見つかった場合は、検査中にその場で日帰り切除も可能です。

IBSと診断されたら〜症状改善のためにできること
IBSと診断されても、適切な対処で症状は改善できます。
日本消化器病学会のガイドラインでも、食事・生活習慣の改善が治療の基本として推奨されています。
食事の見直し
IBSの症状を悪化させやすい食品を把握しておくことが大切です。
- 避けると良い食品…高脂肪食、刺激物(辛いもの・アルコール・カフェイン)、乳製品(乳糖不耐症の場合)、FODMAP(発酵性の糖質)を多く含む食品
- 積極的に摂りたい食品…食物繊維(ただし下痢型は過剰摂取に注意)、発酵食品(ヨーグルト・納豆)、水分補給
食事日記をつけて、どの食品が症状を悪化させるかを記録することも有効です。
生活習慣の改善
- 規則正しい食事・睡眠のリズムを整える
- 適度な運動(ウォーキング・ストレッチなど)を習慣にする
- ストレスの発散方法を見つける(趣味・入浴・深呼吸など)
- 腸を冷やさないよう腹部を温める
薬物療法
症状に応じて、医師が適切な薬を処方します。
下痢型には腸の過敏性を抑える薬(5-HT3拮抗薬など)、便秘型には腸の動きを促す薬、腹痛には抗コリン薬、腸内環境を整えるプロバイオティクス、漢方薬なども有効とされています。抗うつ薬・抗不安薬が有効なケースもあります。
「薬に頼りたくない」という気持ちはわかりますが、症状が日常生活に支障をきたしているなら、薬で症状をコントロールしながら生活の質を取り戻すことが大切です。
心理的アプローチ
IBSには心理療法(認知行動療法など)も有効とされています。
ストレスや不安がIBSを悪化させる場合、心身両面からのアプローチが症状改善につながります。必要に応じて心療内科や精神科との連携も考慮します。
かなもり内科婦人科クリニックの腹痛診療について
腹痛・下痢でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
かなもり内科婦人科クリニックは、埼玉県さいたま市緑区美園に位置し、埼玉スタジアム線「浦和美園駅」から徒歩1分でアクセスできます。
消化器内科専門医による丁寧な診療
院長の金森瑛は、日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医・日本内科学会総合内科専門医・日本肝臓学会肝臓専門医・医学博士の資格を有しています。
大学病院・地域基幹病院での消化器診療・救急診療の経験を活かし、急性腹痛から慢性的な腹部症状まで幅広く対応しています。
充実した検査体制
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡)…鎮静剤使用の苦痛の少ない検査、経鼻・経口どちらにも対応
- 大腸カメラ(下部消化管内視鏡)…大腸ポリープの日帰り切除にも対応
- 腹部超音波検査…胆のう・膵臓・肝臓などを総合的に評価
- 血液検査・便検査・ピロリ菌検査
内科と婦人科の両面から対応
女性の腹痛は、消化器疾患だけでなく婦人科疾患が関係していることがあります。
当クリニックでは婦人科専門医も在籍しており、子宮内膜症・卵巣嚢腫・月経関連症状による腹痛にも対応しています。「内科か婦人科かわからない」という場合でも、両面から診察できる体制が整っています。
連携医療機関との安心のサポート
獨協医科大学埼玉医療センター・さいたま赤十字病院・さいたま市立病院と連携しており、より専門的な治療が必要な場合もスムーズに対応できます。
「腹痛はよくあること」と思って放置しないでください。早めの受診・検査が、あなたの健康を守ります。
まとめ〜腹痛と下痢が続くときに大切なこと
腹痛と下痢が続く原因は、ストレスだけではありません。
過敏性腸症候群(IBS)・感染性腸炎・炎症性腸疾患・大腸がん・胆のう疾患・婦人科疾患など、さまざまな可能性があります。「ストレスのせいだから」と自己判断せず、症状が2週間以上続く場合や血便・体重減少・発熱などの警戒すべきサインがある場合は、早めに消化器内科を受診することが大切です。
IBSと診断された場合も、食事・生活習慣の改善と適切な薬物療法で症状をコントロールできます。一人で抱え込まず、専門医に相談してください。
あなたのお腹の不調、きっと一緒に解決策を見つけられます。
腹痛・下痢でお悩みの方はかなもり内科婦人科クリニックへ
かなもり内科婦人科クリニック
- 所在地:埼玉県さいたま市緑区美園4丁目10-1 シモンイースト美園
- 最寄駅:埼玉スタジアム線「浦和美園駅」徒歩1分
- 診療科目:一般内科・消化器内科・胃カメラ・大腸カメラ・婦人科
- 特徴:消化器専門医による腹痛診療、女性医師在籍、駐車場完備
腹痛・下痢・血便・胃もたれ・食欲低下など、お腹の症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
詳細はかなもり内科婦人科クリニック公式サイトをご確認ください。
著者情報
かなもり内科婦人科クリニック 院長 金森 瑛

略歴
2012年
獨協医科大学医学部医学科卒業
獨協医科大学病院 臨床研修医
2014年
獨協医科大学 内科学(消化器)講座
2016年
足利赤十字病院 内科
2019年
足利赤十字病院 内科 副部長
2022年
独立行政法人国立病院機構宇都宮病院 消化器病センター医長、内科系診療部長
2024年
獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 講師
資格
- 医学博士
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本肝臓学会肝臓専門医
- 日本医師会認定産業医
所属学会
- 日本内科学会
- 日本消化器病学会
- 日本消化器内視鏡学会
- 日本肝臓学会