- 2026年5月12日
- 2026年5月11日
腹痛と下痢の原因を徹底解説!症状別の診療科と治療法の選び方

突然の腹痛と下痢。
「また始まった…」と不安を抱えながら、トイレに駆け込んだ経験はありませんか?
腹痛と下痢は、日常的に起こりやすい症状でありながら、その原因は非常に多岐にわたります。単なる食べ過ぎや疲労によるものから、消化器疾患・感染症・過敏性腸症候群まで、原因によって対処法はまったく異なります。
消化器内科専門医として長年、大学病院や地域の基幹病院で腹痛・消化器症状の診療に携わってきた経験から、「どの科を受診すればいいかわからない」「市販薬で様子を見ていいのか」と迷われる患者さんが非常に多いと感じています。
この記事では、腹痛と下痢の主な原因・症状の見分け方・適切な診療科の選び方・治療法まで、実践的な情報をわかりやすくお伝えします。
腹痛と下痢の主な原因とは?
腹痛と下痢が同時に起こる場合、その原因はいくつかのカテゴリに分けられます。
まず大切なのは、「急性」か「慢性」かを見極めることです。
急性の腹痛・下痢の原因
急に発症した場合、以下の原因が多く見られます。
- 感染性腸炎(ウイルス・細菌)…ノロウイルスやサルモネラ菌などによる食中毒・胃腸炎
- 食べ過ぎ・飲み過ぎ…消化管への過負荷による一時的な症状
- ストレス・緊張…自律神経の乱れによる腸の過活動
- 薬の副作用…抗生物質や鎮痛剤などによる消化管への影響
- 急性虫垂炎…右下腹部の強い痛みを伴う緊急性の高い疾患
感染性腸炎では、発熱・嘔吐・血便を伴うことがあります。特に血便がある場合は、早めの受診が必要です。
慢性・繰り返す腹痛・下痢の原因
症状が繰り返す場合、以下の疾患が背景にある可能性があります。
- 過敏性腸症候群(IBS)…ストレスや食事に反応して腹痛・下痢・便秘を繰り返す機能性疾患
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)…腸に慢性的な炎症が起こる難治性疾患
- 慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍…みぞおちの痛みや食後の不快感を伴う
- 大腸がん・大腸ポリープ…血便・便通異常・体重減少を伴うことがある
- 胆嚢・膵臓の疾患…食後の右上腹部痛や背部痛を伴うことがある
「ただの胃腸炎だろう」と自己判断して放置してしまうケースが多いのですが、慢性的に繰り返す症状は必ず一度、専門医に診てもらうことをお勧めします。
急性症状と慢性症状の見分け方
症状の「期間」と「性質」が、見分けるカギになります。
急性症状は突然始まり、数日以内に改善することが多いです。一方、慢性症状は数週間以上にわたって続いたり、繰り返したりするのが特徴です。
すぐに受診が必要なサインとは?
以下の症状がある場合は、迷わず医療機関を受診してください。
- 激しい腹痛が突然起こった(特に右下腹部・右上腹部)
- 血便・黒色便が出た
- 38℃以上の高熱を伴う
- 嘔吐が続いて水分が取れない
- 腹部が板のように硬くなっている
- 体重が急激に減少している
- 症状が3日以上改善しない
「腹痛は体からのSOSサイン。我慢せず、専門医に相談することが最善の選択です。」
特に高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は、症状が軽くても早めの受診をお勧めします。
自宅で様子を見てもよいケース
以下の条件がすべて当てはまる場合は、一時的に自宅での安静・水分補給で対応できる可能性があります。
- 発熱がない、または微熱程度(37.5℃未満)
- 血便・黒色便がない
- 水分が少量ずつ取れている
- 腹痛が徐々に和らいでいる
- 食べ過ぎ・飲み過ぎなど明らかな原因がある
ただし、24〜48時間経過しても改善しない場合は、必ず受診してください。

症状別の適切な診療科の選び方
どの科を受診すればいいか、迷う方は多いです。
症状の特徴によって、最初に受診すべき診療科が変わってきます。以下を参考にしてみてください。
消化器内科を受診すべき症状
消化器内科は、腹痛・下痢の原因となる消化器疾患全般を専門とする診療科です。
- みぞおちの痛み・胃の不快感
- 食後の膨満感・胸やけ
- 慢性的な下痢・便秘・血便
- 腹部の張り・ガスが多い
- 体重減少・食欲不振を伴う腹痛
消化器内科では、胃カメラ(上部内視鏡)・大腸カメラ(下部内視鏡)・腹部超音波検査(エコー)などの精密検査が可能です。症状の原因を正確に特定するためには、これらの検査が非常に重要な役割を果たします。
内科(総合内科)を受診すべき症状
発熱を伴う下痢・嘔吐、感染性腸炎が疑われる場合は、まず内科(総合内科)への受診が適しています。
総合内科専門医は、腹痛を含む幅広い内科疾患に対応できるため、「どこが悪いかわからない」という場合でも安心して相談できます。
婦人科も視野に入れるべきケース
女性の場合、下腹部痛・腹痛の原因が婦人科疾患(子宮内膜症・卵巣嚢腫・骨盤内炎症性疾患など)である場合があります。
月経周期と腹痛のタイミングが一致する場合や、下腹部の痛みが強い場合は、婦人科への受診も検討してください。

腹痛・下痢の検査方法と治療法
原因を特定するための検査は、症状と経過に応じて選択されます。
「検査って怖い」「痛いのでは?」と不安に思われる方も多いですが、現在は患者さんの負担を最小限にした検査方法が整っています。
腹部超音波検査(エコー)
腹部エコーは、体に超音波を当てて内臓の状態を画像で確認する検査です。
放射線を使わないため安全性が高く、痛みもありません。肝臓・胆嚢・膵臓の病変、腹部腫瘍の有無、腸管の異常、腹部膨満の原因などを調べることができます。
腹痛の原因検索において、最初のステップとして非常に有用な検査です。
胃カメラ(上部内視鏡検査)
みぞおちの痛みや食後の不快感がある場合、胃カメラによる検査が有効です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・慢性胃炎・炎症性疾患などを直接観察し、組織の一部を採取して詳しく調べることもできます。
鎮静剤を使用することで、ほとんど眠った状態で検査を受けることが可能です。鼻または口からの挿入を選択できるクリニックもあります。
大腸カメラ(下部内視鏡検査)
慢性的な下痢・血便・便秘・腹痛が続く場合は、大腸カメラが必要になることがあります。
大腸ポリープ・大腸がん・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)の発見に欠かせない検査です。鎮静剤対応で苦痛を軽減でき、検査中にポリープが見つかった場合はその場で切除する日帰り手術にも対応しているクリニックがあります。
「大腸カメラは怖い」と思っていた患者さんが、検査後に「思ったより楽だった」とおっしゃることが多いです。ぜひ一歩踏み出してみてください。

主な治療法の選択肢
原因が特定されたら、それに応じた治療が行われます。
- 感染性腸炎…水分・電解質補給、必要に応じて抗菌薬
- 過敏性腸症候群(IBS)…生活習慣の改善、食事療法、薬物療法(整腸剤・抗コリン薬・抗うつ薬など)
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍…プロトンポンプ阻害薬(PPI)、ピロリ菌除菌療法
- 炎症性腸疾患…5-ASA製剤、ステロイド、生物学的製剤など
- 大腸ポリープ…内視鏡的切除(日帰り対応可能な場合あり)
治療法は病状・年齢・生活環境によって異なります。自己判断での市販薬の長期使用は症状を悪化させることがあるため、必ず専門医に相談してください。
過敏性腸症候群(IBS)について知っておくべきこと
腹痛と下痢を繰り返す方の中で、特に多い疾患が「過敏性腸症候群(IBS)」です。
IBSは、腸に明らかな炎症や腫瘍がないにもかかわらず、腹痛・下痢・便秘などの症状が慢性的に続く機能性消化管疾患です。
IBSの特徴的な症状
- 排便によって腹痛が和らぐ
- 下痢型・便秘型・混合型などのタイプがある
- ストレスや緊張で症状が悪化する
- 朝・食後に症状が出やすい
- 夜間には症状が出にくい(夜中に下痢で目が覚めることは少ない)
「大事な会議の前になると必ずお腹が痛くなる」「電車に乗るとトイレに行きたくなる」という経験をお持ちの方は、IBSの可能性があります。
IBSの診断と治療
IBSの診断には、まず大腸がんや炎症性腸疾患などの器質的疾患を除外することが重要です。そのため、大腸カメラや血液検査が必要になる場合があります。
治療は、食事療法(低FODMAP食など)・生活習慣の改善・薬物療法を組み合わせて行います。一人で抱え込まず、専門医と一緒に取り組むことが回復への近道です。

日常生活でできる腹痛・下痢の予防と対処法
医療機関での治療と並行して、日常生活での工夫も大切です。
食事面での注意点
- 脂っこい食事・刺激物・アルコールを控える
- 冷たいものの過剰摂取を避ける
- 規則正しい食事時間を心がける
- 食物繊維を適度に摂取する(過剰摂取は逆効果の場合も)
- 乳製品・小麦・豆類など、症状を悪化させる食品を把握する
生活習慣の改善
- 十分な睡眠と規則正しい生活リズムを保つ
- 適度な運動で腸の蠕動運動を促す
- ストレス管理(リラクゼーション・趣味・相談など)
- 水分を1日1.5〜2リットル程度しっかり摂る
「生活習慣を変えるだけで、症状がずいぶん楽になった」という患者さんは少なくありません。小さな積み重ねが、腸の健康につながります。
下痢時の水分補給の重要性
下痢が続くと脱水になりやすいため、水分・電解質の補給が最優先です。
経口補水液やスポーツドリンク(薄めたもの)が有効です。カフェインや炭酸飲料は腸を刺激するため、症状が落ち着くまで避けてください。
かなもり内科婦人科クリニックでの腹痛・下痢の診療について
埼玉県さいたま市緑区・浦和美園駅前に位置する「かなもり内科婦人科クリニック」では、腹痛・下痢を含む消化器症状に対して、一貫した専門的な診療を提供しています。
充実した検査体制
腹痛の原因を正確に調べるために、以下の検査機器を完備しています。
- 腹部超音波検査(エコー)…肝臓・胆嚢・膵臓・腸管の異常を非侵襲で確認
- 胃カメラ(上部内視鏡)…鎮静剤使用可、鼻または口からの選択が可能
- 大腸カメラ(下部内視鏡)…鎮静剤対応、日帰りポリープ切除に対応
「胃カメラや大腸カメラは怖い」という方にも、鎮静剤を使用することで苦痛を最小限に抑えた検査が可能です。
専門医による安心の診療
院長の金森瑛医師は、日本内科学会総合内科専門医・日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医・日本肝臓学会肝臓専門医の資格を保有する医学博士です。
大学病院や地域基幹病院での豊富な臨床経験を活かし、腹痛・消化器症状の原因検索から治療まで一貫した診療を行っています。
また、獨協医科大学埼玉医療センター・さいたま赤十字病院・さいたま市立病院との連携体制も整えており、高度な医療が必要な場合も安心してお任せいただけます。
女性の腹痛にも対応
当クリニックでは、消化器内科に加えて婦人科診療も提供しています。
女性特有の腹痛(子宮内膜症・卵巣疾患など)が疑われる場合も、一つのクリニックで総合的に診療できる体制を整えています。「婦人科に行くのは少し恥ずかしい」という方にも、安心してご相談いただける環境です。
まとめ
腹痛と下痢は、原因によって対処法がまったく異なります。
急性症状か慢性症状かを見極め、血便・高熱・激しい痛みなどの危険なサインを見逃さないことが大切です。
「どの科に行けばいいかわからない」という場合は、まず内科・消化器内科への受診をお勧めします。胃カメラ・大腸カメラ・腹部超音波検査などの精密検査を通じて、症状の根本的な原因を特定することが、適切な治療への第一歩です。
自己判断での市販薬の長期使用は避け、気になる症状が続く場合は早めに専門医に相談してください。あなたの腸の健康を守るために、私たちがしっかりサポートします。
【かなもり内科婦人科クリニック】
腹痛・下痢・消化器症状でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
浦和美園駅前の好立地で、胃カメラ・大腸カメラ・腹部超音波検査など充実した検査体制を整えています。鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査、日帰りポリープ切除にも対応しています。
総合内科専門医・消化器内視鏡専門医による専門的な診療で、症状の原因を丁寧に調べ、最適な治療をご提案します。
「症状が気になるけど、受診するほどでもないかな…」と思っている方こそ、ぜひ一度ご相談ください。早期発見・早期治療が、あなたの健康を守ります。
著者情報
かなもり内科婦人科クリニック 院長 金森 瑛

略歴
2012年
獨協医科大学医学部医学科卒業
獨協医科大学病院 臨床研修医
2014年
獨協医科大学 内科学(消化器)講座
2016年
足利赤十字病院 内科
2019年
足利赤十字病院 内科 副部長
2022年
独立行政法人国立病院機構宇都宮病院 消化器病センター医長、内科系診療部長
2024年
獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 講師
資格
- 医学博士
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本肝臓学会肝臓専門医
- 日本医師会認定産業医
所属学会
- 日本内科学会
- 日本消化器病学会
- 日本消化器内視鏡学会
- 日本肝臓学会